白い月~夜明け前のその空に~



「ああ、今日は彼氏とデートらしいからな」


「…え、えーーーーー!?彼氏?いつできたよ、あの子。ねぇ?」


陸のまさかの言葉に驚いた里乃は、とっさに長澤の肩を掴んで揺さぶるが、彼は知らないと首を振った。


「本当に今日、彼氏と出かけるって言ったんですか?」


信じられない里乃は緊迫した言い方で陸に詰め寄る。


「おばあちゃんからそう聞いたけど」


状況が全く理解できない陸は、きょとんとしながら動揺している二人を交互に見る。


「何…、ゆづ、嘘ついてるってことじゃん」


「じゃあ、実は俺らの知らないとこで、佐野に付き合ってる人がいたってこと?」


ぱっと閃いたように口を挟む後藤。


「そうじゃなくて、彼氏いるって嘘ついて出かけてるってこと。だいたい隠す必要ある?出来たら報告するってー」


今度は後藤の肩を掴んで怒りも滲ませながら揺さぶる。