優月の心のもやもやの主な原因は、そこにあった。



陸に対する気持ちに気づいたときから、多分ずっと離れない影のようなもの。






(おかしいって、普通じゃないって、そう決めたのは誰だか分からない。世間がそうしたの?)


世間的と何でも括られるのは、随分都合がいいように優月は思った。




その一方で少なからず、陸との関係がいとこじゃなく、兄妹でもない、ただの他人同士ならよかったと頭をよぎったのは確かだった。





文化祭のように夢中になれるものが他にあれば、彼女も出口の見えない迷路のように、悶々と悩むこともなかっただろう。






燃え尽き症候群というのは、彼女にとってはかなり厄介なもののようだ。