カフェテラス前が沸いていた。
「汚らわしい」
「この女子を早く見つけ出さないと」
そんな言葉が飛び交い、
ウワサが事実に移行しつつあるのが伝わってきた。
人垣の中で一人ほくそ笑んでいると、目を吊り上げた中野桜子がやってきた。
よほど急いで来たようで、息を乱している。
昨夜の私の力作ポスターをベリッと引きはがし、桜子が声を張り上げた。
「みなさん!こんなイタズラに騙されないで下さい!
生徒会にはこのような情報が上がっていませんので、ご安心下さい!」
生徒達の顔を見ると、残念ながらご安心はできないようだ。
証拠写真を信じてしまったみんなには、桜子の言葉が浸透しない。
「馬鹿ね。悪いことは、生徒会に隠れてやるに決まっているじゃない」
「そうよね。生徒会が調べ切れていないだけなのに、嘘だと決めつけるなんておかしいわ」
表立って意見する生徒はいないが、ヒソヒソそんな会話が聞こえてくる。


