切れ長の二重の瞳が狭まった。


学園王子が、ニヤリと意味ありげな笑い方をする。



欠員を出すために、お前ならどうする……

その目は、そんな言葉を語っていた。



急に空が暗くなった。

太陽が雲に隠され、森は不気味な薄暗さに包まれる。


カラスが一羽、バサバサと翼を羽ばたかせて飛び去った。


私と彼の間に、黒い羽が一枚ヒラリと落ちてきた。




“生徒会に入りたければ、欠員を作れ”


これは、彼から出された課題。


授業のフランス語の課題はサッパリ分からないけど、これなら楽勝。

私の得意分野だ。



彼の冷笑に合わせて、私も冷たく微笑んだ。



欠員を誰にするのか……
早速考えなくてはいけないネ。




――――……