バイクは快調に走り続けた。
目的地なんてない。
北と南、どっちがいいかと聞かれて、
冬だから、南を選んだだけ。
バイクを南に走らせること、
約2時間。
学園から遠く離れた、山合いの田舎町にたどり着いた。
時刻は22時近かった。
空からチラチラと雪が舞い降りて、かなり寒い。
厚手のジャンパーを用意していても、寒さに震えた。
「どこか泊まる場所、見つけねぇと……」
叶多くんが、そう言った。
田舎町は、民家の明かりはポツポツ灯っているが、
大きな建物が見当たらない。
小さな駅前に行っても、
シャッターを閉じた商店が連なるだけで、
ホテルや旅館は、一軒も見当たらなかった。
ゆっくりバイクを走らせて、町中を見て回り、
とうとう町外れまで来てしまった。


