愛しさが込み上げて、
ギュッと彼に抱きついた。
こんなにも胸をドキドキさせてくれる人は、
彼しかいない。
やっぱり叶多くんが私の運命の人なのだと、改めて感じていた。
学園の崩壊を、最後まで見届けたい気持ちもあるけど、
そろそろ出発しないと、面倒臭いことになりそうだった。
消防車やパトカーのサイレンが、
徐々に大きくなり、こっちに近づいていた。
私達は広い学園敷地内の、
木立の間に分け入った。
暗い森の中をずんずん進み、
やがて森が途切れて、草地に出る。
冬枯れした草地に置いてあったのは、
一台のバイクと、数日分の食料や着替えを詰め込んだ鞄。
寒空の下、パーティー用の衣装を脱ぎ捨て、
手早く普段着に着替えた。
荷物をバイクにくくりつけ、
彼がエンジンをかけた。
私も彼の後ろにまたがり、
お腹に腕を回して、広い背中にギュッとしがみついた。


