逃げ出す前の、まだ“春成”である彼に、不可能はない。
ダイナマイトで壊したのは、
迎賓館だけでなく、校舎も。
木立の向こうに頭だけ見える、
5階建ての校舎が崩れていた。
シンボルの鐘楼が吹っ飛んで、
コンクリートがバラバラボロボロと、崩壊真っ最中だ。
迎賓館前にたむろしていた人々が、
爆発に驚き、悲鳴を上げて、
より遠くへと逃げて行く。
建物の崩れが収まってきたところで、今度は炎が上がった。
豪華な迎賓館も、立派な校舎も、
メラメラと燃え上がる炎に包まれて、
黒い煙りとなり、冬空に消えて行った。
「あ……アハハハッ!」
ゾクゾクして楽しくて、
私は声を上げて笑った。
さすが、叶多くん。
聖夜祭だけじゃなく、学園丸ごと破壊するなんて、
想像を超えた、素敵な光景を見せてくれた。


