押し合いへし合いして、会場から逃げる人波が、
3分の1ほどに減った時、
「じゃ、そろそろ俺らも逃げるか」
叶多くんが、そう言った。
私はニッコリ頷く。
彼がはめ殺しの窓を蹴破り、
出口を作る。
まず最初に、彼が飛び下りた。
続いて私も、身を乗り出す。
地面までの高さは、2メートル以上あった。
飛び下りる私を、下で彼がしっかり受け止めてくれた。
迎賓館前は、逃げ出した人々でごった返している。
呆然としている学園関係者に、
泣いている女子生徒、
「コレは一体、何なんだ!
三ノ宮とは金輪際、つき合わん!」
そう大声で怒鳴り散らして
ベンツに乗り込む、招待客もいた。
叶多くんと手を繋ぎ、私は歩きだそうとした。
これから二人で、愛の逃避行の旅に出るつもり。


