昨日、私と契約書を交わした治安部隊の男子5人は、
突っ立ったまま、どうしようと、
迷っている風だった。
“万が一”と言われて渡された、
折りたたみ式ナイフ。
それをポケットから恐る恐る出したものの、
戦う勇気が出ないみたい。
このナイフを使って、本当に戦わなければならないのか……?
怖い……でも、契約書を交わしてしまった……。
戦って勝てたとしても……
人を傷つければ、罪になるんじゃないのか……?
一体、俺はどうすれば……。
たぶん彼らの頭の中には、
そんな自問自答が、繰り広げられていることだろう。
ナイフを持って震える治安部隊の一人に、
叶多くんが近づいて行った。
背後に立ち、肩にポンと手をかけ、
何かを耳打ちしている。


