“自作自演グループ”8人全員に合図を出したあとは、
巻き添えを食わない位置に移動して、ゆっくり観劇を決め込んだ。
クロアイ劇場の始まりは、
信者の男子Aが、突然叫び声を上げるところから。
「ギャー!」と叫んだ男子Aは、
持っていたワイングラスを投げ捨てる。
叫び声と、ガチャンとグラスが割れた音に、
会場の視線が注がれた。
男子Aは口元を覆って、苦しげにのたうち回り、
口から真っ赤な血を、ゴボッと吐き出した。
これは、ニセモノの血。
トマトジュースをペットボトルに入れて隠し持ち、
それを口に含んで吐き出しただけ。
それでも、みんな騙される。
この状況から、ワイングラスに毒が入っていたんじゃないかと思うよネ。


