私は腕時計を見た。
時刻は、18時16分。
そろそろ来ても、イイ頃なのだが……
その時、耳に微かな騒音が聞こえた。
それはすぐに大きくなって、
クラシックのバックミュージックを掻き消す程になる。
生徒や客達が、何事かとザワザワしていた。
その騒音とは、バイクのエンジン音だ。
改造バイクの破壊的な音が、
ブォンブォン、バボボボボボボと、耳を塞ぎたくなるほどに煩く響いてきた。
「やっと来た……」
そう心で呟いて、そっと窓辺に移動した。
曇ったガラスを手で拭いて、薄暗い外を見ると、
迎賓館の駐車場入口付近に、
何十台ものバイクのヘッドライトが見えた。


