黒愛−2nd love−

 


金持ち世界を知らない私は、

春成の怖さも、三ノ宮の怖さも、
いまいちピンとこない。



叶多くんは、生まれた時からその世界にいるせいで、

恐怖が骨の髄まで、染み込んでいるのだろう。




叶多くんを、可哀相だと思った。



ゾクゾク楽しい戦いを前に、あきらめてしまうなんて、

悲しい人だと思った。




私は椅子から立ち上がった。



彼は机に座ったまま、

私が「あきらめる」と言うのを待っている。



彼の前に立ち、制服のネクタイをグイッと引っ張り、

唇を奪った。



いつもは食べられてばかりだけど、

今日は私が食べる側。



彼の唇をむさぼり食べて、
顔を離した。



彼の唇は、切れて血があふれ、

床に赤い水玉もようを作っていた。