廊下でクスクス笑っていると、
「おい」
と背後に声がした。
振り返ると、叶多くん。
彼は眉間にシワを寄せていた。
どう見ても、不機嫌。
明日沙也子に、婚約発表されると思っているから無理もない。
叶多くんに向けて微笑んだ。
「心配しなくても、大丈夫だよ。
私に任せて。
沙也子の思い通りになんて、
させないから!」
安心させようと思って言ったのに、
なぜか彼は、眉間のシワをさらに深くした。
「来い」
そう言われて、手首を掴まれた。
そのまま引っ張られて廊下を数メートル進み、
連れ込まれた場所は、美術準備室。


