久美の気持ちは良く分かる。



愛のためなら、自分を犠牲にしてもイイという気持ちが。




私も……叶多くんとの愛のためなら、何を犠牲にしてもイイ。


自分も、他人も、世界が崩壊したって構わない。




強い北風が吹き、私の黒髪を横に流して、

薄ら笑いを隠してくれた。



正門に背を向けて歩きだした時には、

久美のことなど、頭の片隅に追いやってしまった。



今一番考えなければならないのは、どうやって聖夜祭をぶち壊すかだ。



中止に出来ないなら、壊すしかない。



沙也子の思い通りになんて、

絶対にさせないカラ。




――――……