沙也子は久美を見たあとに、私を見た。
「誰かをかばって…」の“誰か”とは、私だと言いたげだ。
クロアイだと言って連れて来たのが、この学園で唯一の友人、久美だということが、
反って私を怪しむ方向に向けてしまったみたい。
沙也子は続けて言う。
「久美さんがクロアイだと言うのなら、
久美さんのスマートフォンとパソコンを提出してもらってもいいかしら?
そこから書き込まれたものなのか、念のために調べたいの」
沙也子は、ザコ共と違っていた。
久美に嘘の自供をさせても、
それだけで終わらせてくれない。
沙也子はキレ者。
それは認めようと思う。
それでもやっぱり、最後に勝つのは私だ。
沙也子がそう言い出すのも見越して、
身代わりをどうでもいい奴じゃなく、
わざわざ同室の久美にしたのだから。


