黒愛−2nd love−

 


沙也子の呼びかけに、「はい」と言わなかったのは、私だけ。



せっかくクロアイ予知夢を書き込んだのに、

これでは意味がないじゃないかと思っていた。



奥歯を噛みしめる私に、
さらに沙也子が追い打ちをかける。




「ところで愛美さん、何かお忘れではなくて?


今回の署名運動の発端は、
クロアイ予知夢が書き込まれたことよ?


調査期限が来たことになりますけど、まだ報告を受けていませんね」




沙也子がニヤリと笑う。



他のザコ共は、期待の目で私を見る。



その期待とは、私が謝ること。



クロアイの正体を掴めませんでした。

私は無能です。生意気言ってごめんなさい。



そんな言葉を期待しているのだ。




悪いけど、それについては期待に応えられない。



椅子を鳴らして、私は立ち上がった。



ドアに向けて、無言で歩く。