沙也子が黒く笑って、スマホに向け喋り続ける。
「ご存知でしょうけど、小橋水産の筆頭株主は
“三ノ宮義郎”私のおじい様ですのよ?
私の意にそまぬことをするのなら、
あなたのお父様の会社がどうなってしまうのか……
それは、ご想像にお任せしますわ、ウフフ」
汚い手を使いやがって……
テーブルの下で、爪が食い込むほどに、手をきつく握りしめた。
沙也子は、署名した生徒の一人を脅していた。
自分に逆らえば、父親の会社を潰すと言って。
通話を切ってから、沙也子は薄く笑って、
小橋美喜夫の名前を、二重線で消した。
「フフッ 有効署名数が1名減ったわ。
これで、458名。
生徒総数の84.8%よ。
聖夜祭は予定通り行います。
今年は私から重大な発表がありますので、
皆さん、聖夜祭が問題なく行われるよう、尽力して下さい」


