《学園運営規則の第152条に、こんな文章を見つけました。
学園及び生徒会の決議は、全生徒の85%の署名をもって効力を失うものとする。
つまり、たくさんの署名を集めれば、聖夜祭を中止にできます!》
《上の方の意見に賛成します。
私は1-Aの女子です。このクラスの署名は、私が集めます。》
《僕は2年B組です。僕もB組の署名を――――》
クロアイ夢見板に次々と書き込まれるレスを読み、
がらにもなく「お願い…」と呟いていた。
叶多くんを失いたくなかった。
沙也子との婚約を邪魔できるなら、
騙されやすい馬鹿なお嬢様たちにだって、頭を下げたい気持ちだった。
久美が温かいミルクティーを入れて、
私の机にコトリと置いてくれた。
更に毛糸のショールを持ってきて、私の肩に羽織らせてくれた。
ショールをかけてから、
自分の机に戻らず、背中にギュッと抱きついてくる。
「どうしたの?」
そう聞くと、
「最近の愛美、忙しそうだよね。
淋しい……」
そんな言葉が返ってきた。


