今夜の叶多くんは、一際激しく抱いてくれた。
ホテルのスイートルーム並の豪華な一人部屋は、防音もしっかりしている。
いくら喘いでも、声がもれる心配がなくて安心。
気を失いそうな快感を味わった後は、
心地よい脱力感に包まれ、彼の横に寝そべった。
筋肉質の肌に触れながら、
会えなかった一週間、春成家で何をしていたのか聞くと、
「つまんねぇこと」
そんな言葉が返ってきた。
叶多くんは、三男。
上の兄二人はとっくに成人して、
春成グループの企業で働いているそうだ。
高校、大学を卒業したら、
叶多くんも兄達と同じ道を進むらしい。
最近よく実家に呼ばれて帰るのは、将来のため。
学業とは別の、春成式経営学や帝王学を学ばされ、
権力あるジジイ、ババアどもに今から顔を覚えてもらえるよう、
挨拶回りに連れ歩かれているそうだ。


