時刻はもうすぐ日付が変わる頃。
部屋から静かに廊下出た。
廊下の照明は小さく落とされ、
薄暗い。
誰も見ていないことを確認して、
素早く非常口から外に出た。
学園の寮は、セキュリティが万全だ。
普段は夜中に、出ることも侵入することも出来ないが、
叶多くんが私を呼び出す時は、
大丈夫。
彼が職権乱用して、セキュリティを一時的に解除してくれるからだ。
外に出ると、夜風が冷たかった。
足元には枯れ葉が舞う。
空を見上げると、黄色い満月がポッカリ浮かんでいた。
嘘か本当か、満月の夜は殺人が起こりやすいと聞いたことがある。
どこかで流れる血と悲鳴を想像しながら、
胸をときめかせて男子寮へと歩いた。
非常口から中に入ろうとすると、
後ろにクシャリと枯れ葉を踏み付ける音が聞こえた。
慌てて振り返るが、誰もいない。
冷たい風が枯れ葉を舞い上げるだけ。
誰かいたような気がしたけど……
気のせいか。
そう思い直し、彼のもとへと急いだ――。


