ドアノブに手をかけてから、
久美を放置していたことを思い出した。
振り返ると久美は、さっきの場所に突っ立ったままで、
ぽーっと熱っぽい瞳で私を見ていた。
「久美、急な呼び出しで、今夜は生徒会の女子で集まることになった。
そのまま泊まってくるね」
話しかけると、久美はハッとした顔で我に返る。
それから、なぜかモジモジして、
こんなことを言った。
「えっと……気を遣って出て行かなくても大丈夫だよ……
愛美になら、何されても平気っていうか……
あの……私も同じ気持ちだから……」
久美が何を言いたいのか良く分からなかった。
でも聞き返したりしない。
そんなことより今は、叶多くんに早く会いたくて仕方ない。


