私に恐怖する久美を想像していると、
少しだけ元気が出てきた。
椅子から立ち上がり、
久美を正面から抱きしめた。
これはお礼。
沈んでいた心に、少しの黒い活気を与えてくれたことへの報酬。
「久美の体って、柔らかいね……」
背中を撫でている手を、お尻へとゆっくり下げていった。
お尻に円を描き、女の体の柔らかさを感じていた。
久美の息遣いが、速く熱くなっていくのが分かった。
私に抱きしめられて触られて、
興奮しているみたい。
一方私は、少しも興奮できなかった。
本当に触りたいのは、柔らかい女の体ではなく、
たくましい筋肉質の……叶多くんの体だ。
彼に会いたくて、たまらなかった。
声が聞きたくて、抱きしめてもらいたくて、仕方ない。


