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夏休みは、ほとんどの生徒が帰省するため、

クロアイは予知夢を見ることが出来ずに終わってしまった。



つまらない夏休み……


でも、叶多くんは帰省せずに学園に残ってくれたから、

そこだけは楽しかった。




マリアンヌ事件で私を認めた叶多くんは、

時々私を、寮の部屋に呼んでくれるようになった。



激しく食べられている最中は、
心も体も満たされて幸せな時間。



抱かれた後の、ピロートークも楽しい。



「愛美はマジで黒いな。

どこまで黒いのか、心の中を見せてみろよ?」



笑いながらそう聞くから、
私も笑って答える。



「黒い私を、自分が楽しむためだけに使っているのは叶多くんでしょ?

私より叶多くんの方が、黒いと思うよ。フフッ」




唇を重ね、顔を見合わせ笑い合う。



お互いの黒さを褒め合うひと時は、

心が通じ合えた気がして、嬉しくてたまらなかった。