デート中、かなり無理していたせいか、
本田卓也はぐったり疲れた顔をしていた。
溜息ついて、私にお願いしてくる。
「もうデートを終わらせてもいいだろ?
頼む。疲れ過ぎて、本音をもらしてしまいそうだ」
彼の本音とは、お前に好かれて迷惑している……
そんなところだろう。
夢見るポエム少女は、彼の好みではない。
ましてや、挙動不審の変な女は、
好みから遥かに遠ざかる存在。
一度は了承した取引なのに、
彼は私のプランに、今頃文句を言ってくる。
「だいたい、こんなデートに何の意味があるんだ?
好かれても、付き合うつもりはないし、友達にもなりたくない。
それなのに、僕が彼女に惚れているような演技をするなんて……
期待させたら、安抜さんにも失礼だろ」


