黒愛−2nd love−

 


建物の陰で黒い微笑みを浮かべていると、


「黒田さん」

不意に名前を呼ばれた。



ギクリとして前を見る。



マリアンヌをテーブルに置いて、

本田卓也が一人で私の前に立っていた。




今の私は変装している。



ボーイッシュなスタイルに、

黒髪は帽子にしまい、ダテ眼鏡もかけている。



人違いのフリをしようとしたけど、駄目だった。




「ずっと付けていたのは知っているから、ごまかしても無駄だよ」



本田卓也は冷たい声でそう言った。



「君の尾行に気付いていなかったら、

あんなデート計画書に従うわけないだろ」



そうも言った。