マウスをカチカチ言わせて掲示板を読み込んでいると、
シャワーを浴びた久美が、
部屋に戻ってきた。
いつもと違う、高そうなシャンプーの香りがフワリして、
画面から目を離して久美を見た。
「いい匂いだね。バラ?」
「うん。試供品の高級シャンプーを使ってみたんだ。
もったいなくて使えなかった、
美容液も付けちゃった。
明日が楽しみだねー!」
久美は鼻歌まじりにクローゼットを開け、
明日着る服を選んでいる。
デートにウキウキしている久美。
もしかしてロマンチックで、
甘い展開を期待しているのだろうか?
悪いけど、明日のデートはそんな甘いものにはならないよ。
私の目に浮かぶのは、狂気に彩られた真っ赤なナイフ。
夕焼けをバックにすれば……
それもまた、ロマンチックに見えるかもしれないけどネ。


