Yesと言われる可能性がゼロな状況だけど、大丈夫。
彼は私の計画から逃げられない。
「話ってそれだけ?
それじゃあ、僕はこれで……」
背を向けて戻ろうとする彼に、
効果テキメンな一言を放った。
「残念だなぁ〜。
お願い聞いてくれたら
“虎の巻”をプレゼントしようと思ったのに」
彼は一歩踏み出した足を止めて、
向き直った。
“虎の巻”という言葉に、
興味をそそられたようだ。
彼の目の前でパラパラとページをめくって見せたのは、一冊のノート。
久美が私のために作ってくれた、
“これさえやればテストはバッチリ!”という予想問題集だ。
口元に笑みを浮かべ、
彼に言う。
「いつも学年1位の特待生、
野村久美が作った期末テスト予想問題集だよ。
これ、欲しくナイノ?」


