本田卓也が私を見上げて、
首を捻る。
彼にしたら私は、初対面の人物。
「誰?」と言いたげな顔をしていた。
邪気を隠してニッコリ笑いかける。
愛らしい声音で、
「お話があるの。一緒に来てくれない?」
そう誘った。
彼の友人達は、女子からの告白かと勘違いしていた。
肘で彼をつつき、
「行ってこいよ」
「お前って、意外とモテるんだな〜」
そんな風にからかった。
本田卓也は、迷惑そうな顔をしていた。
彼について調べたところ、女子にはあまり関心がないみたい。
女子とたわむれる暇があるなら、
図書室で本を読んだ方がいいと思う、
つまらないタイプの男だ。


