フセンの他にも、恋のおまじないをやらせている。
『彼の名前を書いた紙きれを、
彼を見つめながら食べる』
そう書いたら、本当に食べてたし、
昨日の手紙には、
『スキップしながら彼の周りを一周する』
と書いたから、
きっと今日、それを実行すると思う。
図書室に入ると、ちょうどマリアンヌが、
おまじないを実行しようとしているところだった。
彼の真後ろに立ち、モジモジ恥ずかしそうにして、
それから意を決したように、一人で頷いていた。
恥ずかしさに顔を真っ赤に染めながら、
読書中の彼のテーブルを、スッキップで回り始めた。
吹き出しそうになり、慌てて口を押さえた。
手元の本に集中していた彼が異変に気付き、
顔を上げてマリアンヌを見ている。
彼の眉間にシワが寄る。
この女は、なぜ図書室でスキップしているのかと、怪訝そうに見ていた。


