生徒資料を盗み見て、家族についても調べていた。
父親はフランスワインの輸入貿易会社の社長。
会社の規模は小さめ。
子供はマリアンヌ一人。
両親ともに50半ばを超えていて、
遅くに産まれた一人娘みたい。
幼稚園から中学までは、
ストレートに進級できる私立の女子校。
可愛い可愛い、一人娘。
狭い箱の中で溺愛して育てた結果、
フワフワぼんやり、夢見るポエム少女が出来上がったということだ。
図書室は2階の東側にあった。
教室よりも立派な皮張りの扉。
その金の取っ手を握りドアを開けると、
図書室独特のインクの香りがした。
図書室は空いていた。
利用者は少ないのに、金の余っているこの学園の図書室は、
無駄に広く、蔵書も多かった。
中に入って真っすぐ進むと、
司書カウンターがある。
プロの司書が2人と、図書委員の生徒が3人、
カウンター内で静かに仕事をしていた。


