Hくんは今頃、自分の部屋に入ったところだろう。
そう予想して、笑いながら最終メールを送った。
『Hくんおかえり!待ってたよ♪
私はここ。見つけた?
あれ、まだ分からない?
おかしいなぁ。部屋のアチコチから見てるのに。
窓からも、壁からも、
ベッドや天井、床からも。
ありとあらゆる場所に私はいて、
いつもアナタを見ているんダヨ♪♪』
最終メールを送って数分後、
防犯カメラの映像に動きがあった。
画面右端の窓ガラスが割れて、
中から炎と黒煙が吹き出している。
そこがHくんの部屋だった。
彼の部屋前に置いたもう一つのプレゼントとは、
ライターだ。
壁や天井、部屋のアチコチに私の目があるなら、
部屋を丸ごと破壊しなくちゃいけない。
私の目から逃れたくて、
殺したくて、
火をつけちゃったみたいだネ。
遠くの方から鳴り響く火災ベルの音が、
ふたりきりの生徒会室にも聞こえていた。
『男子寮で火災が発生。
生徒は校舎内に待機し、近付かないように――』
そんな校内放送も流れてきた。


