叶多くんが、また画面を切り替える。
今度は男子寮が映し出された。
寮の防犯カメラは、玄関を中心に建物外側を映していて、
残念ながら内部まで覗くことができない。
Hくんが寮に駆け込むのを見届けた後は、
この画面で行動を追うことができなかった。
「Hくんが寮の部屋で何をすると思う?」
叶多くんの腕に触れながら、
聞いてみた。
「除菌じゃね?」
彼が笑いながら答える。
「それじゃ前と同じで、つまらないでしょ?
実はね、午前中に授業を抜け出して、
Hくんの部屋の前に、アルモノを置いておいたんだ!」
彼に贈ったプレゼントは、
黒カビのお守りだけじゃない。
寮でも暴れてもらおうと思って、
もう一つアイテムを準備してきた。
「教えろよ」
と聞きたがる彼に、
「もう少しで分かるよ」
そう言ってじらしてみる。


