私に手を引かれて走りながら、
久美が興奮した声で言った。
「さっきのアレ、あの男の子だよね?
やっぱり愛美の予知夢が当たったんだね!」
愛美の予知夢と言った久美の手を、
パッと離した。
口に出すなら、愛美の予知夢ではなく、
“クロアイの予知夢”と言ってもらいたい。
口止めする意味を込めて、
ジロリと睨んだ。
「クロアイの正体が知れたら困るんだけど。
もし誰かに話したら……
久美のこと嫌いになるから」
久美が慌てる。
泣きそうな顔して、謝ってくる。
「ごめんね。もう言わない、絶対に言わない。
お願い愛美、嫌いにならないで……」
2-Cの前についた。
Hくんはまだ追ってこない。
ドアから中を覗くと、教室内には5〜6人の生徒が残っていた。
ポケットからプリントを1枚出して、久美に渡した。


