さっきから久美が、幸せそうな顔して私に話しかけているけど、
全く聞いていなかった。
適当に頷きながら、目線はガラスの向こうのHくんをずっと追っている。
私からのメールが届くと、
彼は箸を投げ捨て立ち上がった。
「現れたな……」
そんなHくんの呟きが、
聞こえてきそうな気がした。
周囲をグルリ見渡して、彼はピタリと静止した。
恐らく、目が合った生徒がいたのだろう。
ツカツカと歩きだし、一人で食事中の男子生徒のもとへ。
テーブルをバンと叩いて、何かを訴えていた。
それを見て、すぐに2通目のメールを送った。
『私を探しているの?
違うよ。ソイツじゃない。
私は女の子。
お日さまの光を浴びる椅子に座って、友達とサンドイッチを食べているところ』


