黒愛−2nd love−

 


叶多くんが小さな溜息をついた。


私の肩から腕を外し、立ち上がって会長席に戻ってしまう。



彼は正論をぶつけてくる沙也子が苦手。



こういう知的なタイプは、私も得意とは言えない。



「私の獲物に近付かないで!」

そんな風に、嫉妬むき出しで挑んでくれた方がやりやすいのに。



冷静で知的な沙也子は、簡単には排除できない存在だった。



安物の布地みたいな排除計画を実行すれば、

ほつれた糸を引っ張られ、
逆に私がやられてしまいそう。



沙也子に関しては、慎重にやらなくてはいけない。




「すみませんでした。
真面目に仕事します」


そう言って、つまらない仕事に戻った。



今はまだ、沙也子の前だけは、
大人しくしていた方がいい。



ムカつくけど、幸せな未来を思えば、怒りも鎮めることができる。



いずれ泣くのは、三ノ宮沙也子。

笑うのは、私。


結末はそう決まっているから、
我慢もできた。