匿名で送られてきたメールを見て、
今頃Hくんはパニックになっていることだろう。
安心できるはずの寮の部屋を、
誰かに覗かれている……
そんな恐怖に怯えているに違いない。
私の隣で、叶多くんが爆笑していた。
肩を揺らして机をバンバン叩き、
メールを見たHくんを想像して、大笑いしていた。
仕事中の雑魚ふたりが、また手を止めて、
驚いた顔をこっちに向けている。
こんなに楽しそうに笑う、春成会長を初めて見た……
口には出さなくても、その驚いた間抜け面がそう語っていた。
私の心には、喜びが広がっていた。
叶多くんが楽しんでくれている――そのことが嬉しくて、
甘くて温かな、幸せ気分に浸っていた。
ひとしきり笑った後、彼が私の肩を抱き寄せる。
耳元に口を寄せ、低く艶のある声を吹き込んでくる。
「いいよ、お前…… すげぇイイ。
ここからもっと楽しくなるんだろ?
期待してるぞ、愛美……」


