黒愛−2nd love−

 


一人でわめき立てた後、

Hくんは青い顔して、鞄の中から除菌スプレーを取り出した。



私がいじった机の上のノートやペンケースに、シュッシュと吹き掛けている。



「この前の人だ……やっぱり変な人だよ」


久美がそんな感想を言った。



周りの人垣からは、こんな会話が聞こえてきた。



「あんな生徒、この学園にいたかしら?」



「何言ってるのよ、細根くんよ?
忘れたの?」



「ああ〜倒産した人ね。
価値のない人物は忘れることにしているの」



「そうよね。戻りましょうか?
彼を見るなんて、時間の無駄だわ」




興味を持って集まった生徒達が、
パラパラと散っていく。



今の彼は、どうでもいい存在。



一人でわめいていようが、奇異な行動していようが、

この学園の生徒にとってどうでもいいのだ。



誰にも構われない哀れなHくん。


父親の会社の倒産は、彼のせいではないのに。



でも大丈夫。

クロアイが夢をみるから。


Hくんが注目の人になるという、
予知夢をみてあげるカラ。