そんなルリコの文句に被せるように、
突然廊下から、男子生徒の悲鳴が聞こえた。
「うわあああっ!!」
その声で、ルリコの苦情が中断する。
ルリコも他のクラスメイト達も、
悲鳴の理由を探りに廊下に出て行った。
私も久美と一緒に廊下に出た。
人垣ができているのは、
2-Cのドア前。
見なくても大体の状況は分かるけど、
久美に「こっち!」と手を引かれ、人垣に潜り込んで中を覗いた。
予想通り、Hくんがパニックになっていた。
「誰だ!?僕の持ち物に勝手に触れた奴は!
君か?それとも君か!?」
遠巻きに見ているクラスメイトに向け、Hくんが一人で騒いでいた。
彼がどんなに問い掛けても、
クラスメイト達は迷惑そうな顔して、冷ややかな視線を向けるだけ。
となりの席の男子はHくんを完全に無視して、スマホをいじっていた。


