お嬢様お坊ちゃま達は高価な物を持っているから、
誰もいない教室には、カギをかける決まりがある。
2-Cのドア前で、廊下の左右を見渡した。
誰も見ていないことを確認し、
カギのかかったドアを開けた。
カギを壊したわけじゃない。
正規のカギを持っている。
朝、生徒会室へ行って、全教室のカギを開けられるマスターキーを無断で借りてきただけ。
素早く中に入り、カギを閉めた。
この時間に授業を抜け出したのは、
ホルモン教師以外にも、ちゃんとした目的があった。
ここは、細根省吾…“Hくん”の教室。
Hくんの持ち物に用事があるのだ。
教室の真ん中辺りの、Hくんの席に行く。
学生鞄を開けて、中の物を物色した。


