クラスメイト達は自分が差されなかったことにホッとして、
その後は、私の身に降りかかった不幸を面白がり、ニタニタしていた。
黒板の前に立った。
ホルモン教師が、白いチョークを渡そうとしてくる。
それを受け取らずに、一歩下がって首を横に振った。
ホルモン教師の油ぎった顔が、
何かを期待していた。
きっと「解けません。先生ごめんなさい」というような、
S心を満足させる答えを期待しているのだろう。
残念だけど、期待には応えられない。
指名する生徒を間違えたホルモン教師に、こう言った。
「答えを分かっていても書けません。先生が触ったチョークに触りたくないので。
何その指毛?モジャモジャで気持ち悪い。
答えて欲しければ、もう少し綺麗にしたらどうですか?
みんな言ってますよ。
数学の時間は、吐き気との戦いだって」


