その日、お母さんが病室にくると、主治医先生のところへすぐに向かった。 先生のところから帰ってきたお母さんの手は震えて、その目は涙でいっぱいだった。 「ちーちゃん・・・。」 涙をこぼすお母さんを、唖然と見上げていたら、お母さんは、そのままあたしを抱きしめた。 ――――――ドナーがみつかった。 お母さんの言葉を理解すると、 あたしの目からも涙があふれた。