家に帰って、酸素のチューブをつけてソファに座った。 早くお礼言いたいのにな。 武石君のアドレスも知らないから、偶然会うしかないんだもんなぁ。 って、そもそも、あたしって武石君の名前と学年と高校名しか知らない。 そんなんで恋っていうのかなぁ? 不機嫌な顔。優しい気配り。 低い声。 なんでかな。 頭にぽんぽん浮かんでく。 何にも知らないのに、頭に住みついてるのは武石瞬くんで間違いない。