腕時計を見ると、


「あっ、もうこんな時間?すっかり話し込んじゃったね」


楽しいひとときはあっという間。


「出ようか?」


適度にアルコールも入ってとてもいい気分だ。


店を出ると、


「さぁ、これから慎吾んちにしゅっぱーつ!」


自分でもますますハイテンションになっていくのがよくわかる。


そんな私に慎吾は苦笑して、


「いや、その前に行きたい所がある。付き合ってくれないか?」


慎吾と一緒だったらどこでもいい。


「りょうか~い!」


慎吾はほろ酔い加減の私を乗せて車を出した。


車に揺られた私は長旅の疲れからいつしか夢の世界に入っていった。


この後、人生最大のヤマ場が待ち受けているとも知らずに……



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