うわー、なんかもう、嫌な予感しかしないや・・・。
これって行ったら絶対、ヤバイ状態になりそう。
「ねえ凍雨くん、長老があたしに・・・・・・」
「小娘に、何の用だというんじゃ」
あたしの疑問を、絹糸が代わりに口にしてくれた。
凍雨くんじゃなく、術師たちに向かって。
「なにかの間違いであろうよ」
「いえ、確かに天内の娘を連れてこい、との命にございます」
「偉ぶっているあの連中が、小娘に会いたがるとは思えぬ」
「我らもくわしい事は分かりません」
「我らはただ、天内の娘を連れてくるよう、言いつけられただけですので」
「やれやれ、そろって使えぬやつらじゃわい」
ムスッとした声で絹糸が言った。
そして術師とあたしの間にチョコンと座り、不機嫌そうに言い放つ。
「子どもの使いではないぞ。なれば、理由を聞いてこい」
「いや、しかしそれは・・・・・・」
「我に口ごたえをするでない。よいから戻って、我の言う通りにせい」
ことさらに、機嫌の悪そうな絹糸の声と態度。
でもあたしには分かった。
絹糸はわざとこんな態度をとって、強引に術師たちを引き下がらせようとしているんだ。


