・・・・・・・・・・・・!
信じられない状況に、あたしの顔は引き攣って口からは絶叫がほとばしる。
ヒッ!? じ・・・じ・・・・・・
「浄火ぁぁーーーーー!?」
「・・・やべっ!」
窓の向こうで浄火が慌てふためいている。
その数十倍パニックになりながら、あたしは両手で体を隠した。
ギャー! ギャー! いやぁー!
あ・・・あ・・・あんたって男はぁぁー!
「変態! 痴漢! 除き魔! エロ男!」
石鹸をつかみ取り、ブンッと窓に向かって投げつける。
―― ガツーン!
石鹸は小気味良い音をたて、見事に格子の間から浄火の眉間にクリーンヒット。
浄火はのけ反り返って、ドサッと地面に倒れる音がした。
あたしは手桶で湯を汲み、窓へ向かってザバザバぶっかける。
この! この! こんのおぉぉーー!
「うわ! 熱っ! あぢぢぢ!」
「とっとと消えろ! 二度とあたしの前に顔を見せるな! 今度会ったら、その日があんたの命日よ!」
マジで・・・・・・殺す!
「うわーーー!」
悲鳴を上げながら浄化がバタバタ逃げていく気配がする。
ほ、ほんとに、信じられない!
ちょっとだけでも不遇な身の上に同情したあたしがバカだった!
あいつにはこれっぽっちも、そんな価値なんか無い!
うぅ、門川君・・・・・・
見られた。門川君以外の男の人に、見られちゃったよぉ・・・。
・・・ばか・・・。
「ばっかやろおおぉぉーーー!」
涙交じりの怒声を全力で吐き散らし、あたしは鼻を啜って唇を噛んだ。


