「それならば安心でございます。ところで浄火様とは、どの様な会話をなさったのですか?」


「会話・・・ですか?」


「はい。差しつかえなければ、ぜひお教え下さい」



いや、差しつかえは全然ないけど・・・。


絶対あたしと結婚したいって内容の会話でした。


とは、さすがにちょっと言いにくい気がする。


うーん、困ったな。なんて言ったらいいのか・・・ あ、そうだ。



「常世島のことを話していました」


「常世島・・・ですか?」


「はい。何も無い、寂しい島だって。あと、両親はとっくに亡くなっているって言ってました」


「さようでございますか」


「あと、ここの景色にすごく感動してました。島のみんなにも見せて、元気づけてあげたいって」


「・・・・・・・・・・・・」



セバスチャンさんは、あたしの言葉に何か考え込むような素振りを見せる。


でもすぐに表情を変え、笑顔で話題を変えた。



「お嬢様、湯の用意ができておりますので、どうぞ」


「あ、はい。ありがとうございます」


「後でこちらにお食事をお持ちいたします。今日はごゆるりとお休みくださいませ」



そう言って丁寧に頭を下げ、セバスチャンさんは下がっていった。


お風呂と聞いてちょっと気分が浮上する。


ここのお風呂ってすごく広くて、とっても気持ちいいんだよなあ!



「しま子、さっそくお風呂に入りに行こっか!」

「うああぁ~」


しま子が入れてくれたお茶をグイッと飲み干し、あたしは元気に立ち上がった。