「お岩さーーーん!」
あたしはお岩さんに駆け寄り、ガバッと飛び付いた。
お岩さんはあたしの体を抱き止め、目を丸くする。
「ア、アマンダ? 抱き付くなら塔子さんでしょう?」
「だって塔子さんに抱き付いたら、赤ちゃん潰れちゃうよぉ!」
「ちょっとあなた! 頭に鳥のフンがついてますわよ!? 鳥のフン!」
「うん! これ、ウグイスのフン!」
「なんでそんな嬉しそうなんですの!?」
「お岩さーん! 大好きだよ!」
「きゃーヤメて! スリスリしないで! フンがドレスにつきますわぁ!」
「放さない! ずっと一緒にいるんだもん!」
ギャアギャア騒いでジタバタ逃げようとするお岩さん。
ますます強く抱き付くあたし。
みんなが声を上げて笑って見ている。
あたしもすごく嬉しい気持ちになりながら、ふと、塔子さんに聞いてみたくなった。
「・・・ねえ、塔子さん聞いていい?」
「ええ、いいわよ。何でもドーンと聞きなさい」
「もしも、もしもさ」
あたしは、お岩さんから腕を外した。
そして真剣な顔で塔子さんと、真正面で向き合う。
「もしも生まれてきた子が、神の一族の能力を持っていなかったら・・・どうする?」
―― シーーーン・・・
賑やかだった場に、一転して沈黙が流れた。
全員、無言であたしと塔子さんを見つめている。
あたしはその視線全部を背負って、塔子さんの目を見つめていた。


