神様修行はじめます! 其の四


「なにを騒いでおるのじゃ。やかましいわ」


「うあ? うああ~~?」


後ろから絹糸としま子の声がした。


おぉ! ふたり共ちょうど良いところに来てくれた!


「ちょっと聞いてよ! ひど・・・」


ブンッと振り向いたあたしは、キョトンと目を丸くしてしまった。


あれ!? お岩さんとセバスチャンさんがいる!


あ、それに凍雨くんも。


マロさん塔子さん夫妻もいるよ。


「どうしたの? 今日みんなで集まる話なんかしてなかったのに」


事件以来の全員集合じゃん。何かあったのかな?


しかもみんな、えらくニコニコしてるし。


心配してたお岩さんとセバスチャンさんまで、すっごい上機嫌そうな様子で。


・・・なんなの? いったい。


「あ、そういえば塔子さん、もう体は大丈夫?」


怒涛の一族の力を失って、寝込んでいたって聞いたけど。


もう完全復活したのかな?


「ええ、大丈夫も大丈夫。絶好調の大当たりよ」


「大当たり?」


その単語聞くと、今あたしちょっとムカつく状況なんだけど。


塔子さんたら、顔が崩れちゃいそうなほどニッコニコしてる。


そして自分のお腹にそっと手を当てて、優しく愛おしげに撫でまわした。


あたしはその仕草を見てハッとする。


「・・・・・・え?」


「うふ」


「・・・え? え? まさか、え??」


「うふ。うふふふ」


あたしは、さっきとは違うドキドキを胸に感じた。


「・・・・・・赤ちゃん?」


ささやくような小声で、緊張しながらそっと確認する。


塔子さんは、すっごい嬉しそうに大きく大きくうなづいた。