「なにを騒いでおるのじゃ。やかましいわ」
「うあ? うああ~~?」
後ろから絹糸としま子の声がした。
おぉ! ふたり共ちょうど良いところに来てくれた!
「ちょっと聞いてよ! ひど・・・」
ブンッと振り向いたあたしは、キョトンと目を丸くしてしまった。
あれ!? お岩さんとセバスチャンさんがいる!
あ、それに凍雨くんも。
マロさん塔子さん夫妻もいるよ。
「どうしたの? 今日みんなで集まる話なんかしてなかったのに」
事件以来の全員集合じゃん。何かあったのかな?
しかもみんな、えらくニコニコしてるし。
心配してたお岩さんとセバスチャンさんまで、すっごい上機嫌そうな様子で。
・・・なんなの? いったい。
「あ、そういえば塔子さん、もう体は大丈夫?」
怒涛の一族の力を失って、寝込んでいたって聞いたけど。
もう完全復活したのかな?
「ええ、大丈夫も大丈夫。絶好調の大当たりよ」
「大当たり?」
その単語聞くと、今あたしちょっとムカつく状況なんだけど。
塔子さんたら、顔が崩れちゃいそうなほどニッコニコしてる。
そして自分のお腹にそっと手を当てて、優しく愛おしげに撫でまわした。
あたしはその仕草を見てハッとする。
「・・・・・・え?」
「うふ」
「・・・え? え? まさか、え??」
「うふ。うふふふ」
あたしは、さっきとは違うドキドキを胸に感じた。
「・・・・・・赤ちゃん?」
ささやくような小声で、緊張しながらそっと確認する。
塔子さんは、すっごい嬉しそうに大きく大きくうなづいた。


