神様修行はじめます! 其の四


―― ビッチャアァ!


「・・・・・・!?」


彼の唇が、あたしの唇に触れる寸前。


あたしは自分の頭のてっぺんに、奇妙な音と不可解な重力を感じた。


夢の世界から現実に引き戻されたあたしは、閉じていた目をパチリと開く。


門川君が、信じられないものを見たように目を丸くしていた。


―― ホー・・・ホケッキョぉウ


バサバサと、頭上を通り抜ける羽ばたきの音。


調子っぱずれな音階の、ウグイスの鳴き声が聞こえた。


あれは、この中庭にいた鳴くのがヘタクソなウグイス。


まさか・・・・・・。


あたしの顔からサッと血の気が引いた。


頬の筋肉が絶望的にガクガク動く。


顔が今にも泣きそうに引き攣った。


まさか。


まさか。まさか。まさか。


この、あたしの頭に落下したものは・・・


ウ・・・・・・


「ウグイスの、フンーーーーー!!?」


いっやあああぁぁぁーーー!!


最低! 最低過ぎるうぅぅーー!!