「け、けっこ、けっ・・・プ、プロ・・・」
「拒否することは許さない。君は僕の花嫁になるんだ」
あたしは目を白黒させて、とにかく正常な呼吸と思考を確保しようとした。
衝撃のあまり、この場でご臨終を迎えてしまいそう。
だって、花嫁って、えぇぇ!?
確かあたし達って、つい最近正式に、両想いになったばっかりだよね!?
なのにいきなりこの急展開!?
音速を超える戦闘機に搭乗してる気分なんですけど!?
「ち、ちょっと待ってもらえますかぁぁ!?」
引っくり返った声を出し、門川君に握られている手をぐいっと引っ込めた。
「いや、待たない」
ぐぃっと引っ張り返された。
「いやでも、さすがにちょっと!」
ぐいっ。
「言ったはずだ。この件に関して君に拒否権は無い」
ぐぃっ。
「じゃ、どの件に関して拒否権があるのよ!?」
ぐいっ。
「どれもこれも、無い!」
ぐいっ。
「そんなの横暴だよ!」
「横暴もなにも、そもそも君は僕の求婚を拒否するつもりなのか!?」
「誰もそんなこと言ってないじゃない!」
「じゃあ、いいだろう!? 今すぐ承諾しろ!」
思い切り手を引っ張られ、あたしは体のバランスを崩す。
そして彼にギュッと抱きしめられた。
「僕は君がこんなに好きなんだ! 僕と結婚しないなんて絶対に許さない!」


