神様修行はじめます! 其の四


「け、けっこ、けっ・・・プ、プロ・・・」


「拒否することは許さない。君は僕の花嫁になるんだ」


あたしは目を白黒させて、とにかく正常な呼吸と思考を確保しようとした。


衝撃のあまり、この場でご臨終を迎えてしまいそう。


だって、花嫁って、えぇぇ!?


確かあたし達って、つい最近正式に、両想いになったばっかりだよね!?


なのにいきなりこの急展開!?


音速を超える戦闘機に搭乗してる気分なんですけど!?


「ち、ちょっと待ってもらえますかぁぁ!?」


引っくり返った声を出し、門川君に握られている手をぐいっと引っ込めた。


「いや、待たない」


ぐぃっと引っ張り返された。


「いやでも、さすがにちょっと!」


ぐいっ。


「言ったはずだ。この件に関して君に拒否権は無い」


ぐぃっ。


「じゃ、どの件に関して拒否権があるのよ!?」


ぐいっ。


「どれもこれも、無い!」


ぐいっ。


「そんなの横暴だよ!」


「横暴もなにも、そもそも君は僕の求婚を拒否するつもりなのか!?」


「誰もそんなこと言ってないじゃない!」


「じゃあ、いいだろう!? 今すぐ承諾しろ!」


思い切り手を引っ張られ、あたしは体のバランスを崩す。


そして彼にギュッと抱きしめられた。


「僕は君がこんなに好きなんだ! 僕と結婚しないなんて絶対に許さない!」